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外岡秀俊 3.11後の世界

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help RSS  講演「放射能汚染地の今とこれから」

<<   作成日時 : 2011/09/25 21:21   >>

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 2011年9月25日(日)記

 連休2日目の9月24日夜、札幌市中心部の「かでる2・7」の大会議室で、中手聖一さん(50)の講演会「放射能汚染地の今とこれから 避難をめぐる困難と、求められる支援」が開かれた。

 中手さんは、5月1日につくられた「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の代表で、この30年間、福島市の障害者と地域をつなげるNPO法人・自立生活センターで働いてきた。

 福島ネットワークは、児童生徒をもつ親が、放射性物質の被曝情報を求めてネットで連絡を取り合い、自然発生的にうまれたグループだ。

 中手さんはまず、パワーポイントで、スクリーンに一枚の写真を映し出した。福島第一原発3号機が、黒煙をあげて爆発する写真だ。

 「3月12日、BBCなど海外メディアが爆発する映像を流しました。しかし、そのとき国内メディアは前日の映像を流していました。こんな状態では、渦中にいて何も知らされず、子どもたちを被曝させてしまう」

 そうした危機を感じた中手さんは、3月末に9歳と6歳になる息子の避難先を西日本に確保して、送り出した。

 津波と違って放射線は、目にみえず、肌に感じることができない。県外から招かれたある学者は、「年間20〜30ミリシーベルトなら大丈夫。何も心配することはない。外で遊ばせなさい。100ミリを超えたら心配しましょうね」という安全キャンペーンを展開していた。しかし、ネットなどで見る情報は、明らかに違った。

 4月25日、心配した親たちが集まった。ようやく自分の言葉に耳を傾けてくれる人と出会った。自分だけではなかった。そうした嬉しさと安堵から、涙を流す親が多かったという。

 中手さんらは、3月末、自主的に線量計で7つの学校の放射線を測り、「放射線汚染は深刻だ。始業式を延ばし、調査をしてほしい」と福島県教委に訴えた。延期は聞き届けられなかったが、県は3日にわたって小中学校、保育園、幼稚園など1600個所を調査した。

 中手さんによると、その結果は「放射線管理区域」に相当する0.6マイクロシーベルト/時にある学校が76%、「個別被曝管理区域」にあたる2.3マイクロシベールト/時が20%にも達した。後者は、8時間いると年間累積で20ミリシーベルトになる汚染度だ。

 4月19日になって文部科学省は、校舎、校庭などの利用の暫定目安を年間累積1〜20ミリシーベルトにする」と通知した。年間20ミリシーベルトは、集団避難を求めた飯舘村など「計画的避難区域」と同じ数値である。

 平時の許容限度の20倍にあたる20ミリシーベルトが、事故後の「安全基準」として独り歩きすることを恐れた福島ネットワークは、5月23日には70人が文科省に行き、全国から集まった600人の支持者と一緒に、「暫定値20ミリシーベルトの即時撤回」などを求めた。その結果、文科省は27日、「当面1ミリシーベルトを目指す」として、事実上、「暫定値20ミリシーベルト」を棚上げすることになった。

 だが、だからといって、子どもたちに安全が保証されているわけではない、と中手さんはいう。
 
 「福島から自主避難している人は6万人。その中心は子どものいる家族。かりに3〜4万人の子どもが避難しているとしても、全体の1割でしかありません」

 もちろん、親たちにも危機について温度差があり、さまざまな事情から、避難できない人がいることも事実だ。ただ中手さんは、避難させたいという親子には支援をして、今は汚染地域からできるだけ子どもたちを引き離しておきたい、という。

 「除染は必要だが、取り除いた放射線汚染物質のもって行き場がない。福島で子どもたちに会うのがつらい気がする」

 中手さんは、チェルノブイリ原発事故の際に、30キロ圏内の人々は避難したが、それ以遠では、2年後に急に子どもたちの健康被害が目立つ汚染地域があった、と指摘した。放射線といえば、ガンが問題にされるが、呼吸器系疾患など、他の被害も多いという。

 「子どもたちには責任はない。責任があるのは40年間も原発をとめられなかった私たち大人にある。できるだけのことはやった、という大人になるために、私たちは活動しています」

 福島ネットワークは避難・疎開の支援、除染の支援、知識の普及、防護など、あらゆる活動をしているが、基本理念は「子どもたちを放射能から守る」のみで、脱原発団体ですらない、と中手さんはいう。もう一つ大事にしているのは、「福島県民の会」という立場を守る、という姿勢である。文科省交渉で、事実上の棚上げを引き出せたのも、交渉では福島県民が前面に出て、福島の目前の危機を訴えたから、だったのかもしれない、と中手さんは思っている。

 会場からは、「復興予算を賢明に使うには、どうしたらよいか」という質問が出た。

 中手さんは、「除染には大変なお金がかかる。どこまで人々が住む土地を取り戻せるのか。おそらく住めない場所も出てくるだろう。ただ、最終的に、(除染か避難かの)どちらを選ぶのかは、被害を受けた当事者が参加して決める仕組みを作ってほしい。ふるさとに戻るかどうかは、費用対効果で測ることができるでしょうか」と答えた。

 中手さんはいま、「選択的避難区域」を提唱しているという。今設定されている強制的な避難区域は、補償問題だけでなく、そもそも住民の合意を得るのが難しい。住民には温度差があり、年輩の人、農業を営む人には土地の愛着が強い。そこで、行政が、避難したい人を支援し、移住も支えるという仕組みがあればいい、という。具体的には、「福島県立札幌小学校」のようなサテライト校を全国j各地につくり、その学校を核として、「サテライト疎開」をするという構想だという。

 写真は講演を終えた中手さん

 


 
 
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内 容 ニックネーム/日時
2007年に朝日新聞社を定年退職した竹村正一と申します。大阪本社編集局部長会で、外岡さんに何回か、お目にかかったことがあります。在職中(今も)、あなたの署名がある記事は欠かさず読んできました。
東日本大震災、福島原発事故の朝日新聞の記事は、被災者支援に力が入り、肝心の検証記事があまりにも少ないと感じています。9月に入って「外岡秀俊」で検索しましたら、このブログを見つけ、朝日新聞時代の友人らにも紹介しました。私は退職後、柔道整復師になり、昨年11月、整骨院を開院し、少ないとはいえ、必ず来院する患者さんがいることもあり、東日本に行くことができないでいます。コメントを書くほどまではいかないまでも、このブログを読んでいる人は着実に増えていると思います。健康に気を付けて、現地リポートを続けてください。
タケちゃん
2011/09/27 18:55
慰安婦デマを流したのはお前なの?
 
2011/10/05 16:35
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51746266.html

この問題についてどう思われますか?
万死に値する罪だと思いますが。
一国民
2011/10/06 09:34
慰安婦問題の嘘を謝罪しろ
日本人
2011/10/06 20:22
池田信夫のブログでもあるけど、いい加減慰安婦問題にケジメを付けるべき。

ネトウヨなんて極端な思考の人間が生まれたのも、日本人は韓国人女性を無理矢理トラックに積み込み、拉致して慰安婦にされたと信じこまされた世代(今の20〜30代)が、それが嘘だと知った時に生まれた怒りが元なんだよね。

朝日新聞はネトウヨの存在を憂慮してるみたいだけど、ネトウヨを生んだのは皮肉にも朝日新聞なんですよ。

たま
2011/10/09 13:51
「まっとうな記事を書いてきた!」、ないし「俺はジャーナリストだ!」
と主張されるならロジックでもって池田氏や上記コメントに応えるべきではないでしょうか?
でなければやはりあなたが書いてきた記事全て大本営発表と同列で精査が必要、と判断せざるをえません。

まあこれが分かっていれば当の昔に自分の言動を3点測位できてるのだろうけれど。
30歳日本人
2011/10/10 23:41
お願いです!慰安婦問題の誤りを認めてください!これじゃあ何も罪の無い日本があまりにもかわいそうだ、、、。これは人類史に残る大冤罪です。報道に携わる者としての良心があるのでしょう?
土下座もします、だから御願いします!慰安婦強制連行なんてなかったことを認めて
日本無罪
2011/10/12 21:28

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