4・27公開質疑からのアンケート

4・27公開質疑からのアンケート

 2011年4月27日の「福島原発事故に関する公開質疑」の参加者からのアンケート回答は66通でした。その主な内容を整理して紹介します。

<感想・意見>

・根拠なしに結論を出す保安院の考え方、「長期と思っていなかった」には驚いた。

・保安院が「分からない」ことが多い、ことが分かった。

・いったん事故が起こったら、「分からない」と言う。事故や災害に対策のない技術ってあり?

・有意義だったが、データ不足で不満足。

・参加者がきちんとツッコミを入れてくれて分かりやすかった。資料が少なくて分かりづらかった。

・保安院・安全委・東電などにきちんとしたデータを出してもらい、市民の前に定期的に出てもらい、報告、質疑をやるようにしよう。

・具体的なことを具体的に質問すべきだ。その回答に関する評価は別のこと。

・今までの情報以上のものはあまり聞けなかった。もっと分かりやすく説明してほしい。

・理解できない答えばかりだった。専門用語が多く、かつ早口で難解だった。

・分かっていることがほとんどだった。もっと上の責任者や東電の責任者を出席させる必要がある。

・新聞の原発記事を理解できている国民はほとんどいないのでは。東電は呼ばなかったのか。

・責任を持って返答する役人がいつもいない。市民、子どもたちの生命、安全を考えて働いているのなら、「担当じゃないから」という返答拒否はありえない。

・答えられる責任者が答弁者でなかったのが残念。第2回、3回と継続してほしい。

・いつも時間切れになる。もう少し時間を取れないか。

・こんな場を継続してほしい。次回には本日の宿題を発表してもらって進行させる。

・意見を役所にどう報告し、最終的にどう議論されているのか、次回はそれを報告してほしい。

・ストレスがたまった。福島原発に限定している場合ではない。東電や他の電力会社も問うべきだ。

・議論がかみあわないのが残念。担当者をつるしあげても解決しない。必ず次回も開催を。

・野次やマナーがひどく残念。怒りも理解できるが、相手が委縮するばかりで何も前に進まない。

・斑目、西山両氏が出てこなかったのはおかしい。心ある超党派の議員の方々は心強い。

・次回から、もう少しまともな回答ができる責任者を出席させて、公開質疑の実をあげてほしい。

・有意義だった。根本的な責任は、原発を推進してきた前政権と現政権にある。エネルギー政策転換に当たって、党派を超えた議員の活動の広がりに期待する。

・保安院、安全委の責任感、危機感の欠如が明らかになった。冷静な進行に努めた議員に感謝する。

・最初に国会議員に1人ずつ話させるのは不要。参加者は聞きたいことを持ってきているので、国会議員が何に注目しているかはどうでもよいこと。

・議員たちが真剣に取り組んでいることが分かり明るさが見えてきたかな? それで政府側も、内容は不満だが答えようと知る姿勢もみられたと思う。

・安全委の目線が住民の目線でないことがよく分かり、保安院の必要性はないと思う。安全の判断を国家、企業にのみ任せず、住民、市民とその団体でなければ正しい判断はできない。新しい機関を作ってほしい。

・普段はtwitterやustreamなどで情報を得ようとしているが、足を運んでみて知ることも多かった。

・東電社長は告訴、逮捕されないのか。外国ではどうなっているのか。

・脱原発は息の長い行動となるでしょう。その一歩としては有意義だった。

・子どもの20mSv基準を決めた経緯もあやふやで無責任。ぜひ撤回させ、子どもを守っていきたい。これからもこのような集会を開いてほしい。

・子ども、児童への放射能基準値20mSv/年は殺人行為だ。文科省、政府を許してはならない。

・「ICRP2007年勧告」の「1~20mSv」は最適化のための参考レベルで線量限度ではない。出席職員で読んだことのある人はいるのだろうか?

・20mSvは単なるミスなので、撤回に伴う混乱収拾の相談会にしてほしい。ぜひ、文科省の副大臣、次官、安全委の代谷氏の出席を。

・海の汚染の生物濃縮が気になる。食品などの基準についても訊いてほしかった。

・20キロ圏内に放置の動物の餓死、共食いなどにどう対処するか、責任も含め明らかにしてほしい。

<政府対策本部・原子力安全委員会・保安院への意見・要求>

・本当に誠実な返答、今後の取り組みを切望し、注目し続ける。

・「打つ手なし」が真相ではないのか。このような奇怪な存在は「安楽死」に、向かわせるしかない。

・原発に対し、住民の安全確保の立場から短期、長期の対策を出してほしい。

・水棺について、必ず格納容器の破損を招かないような対策の上で進めてほしい。

・最悪の事態への対策として石棺を行う準備はできているか。即、準備すべきだ。

・炉心溶融が起こり下部に溜まっているが再臨界はないと伝えられているが、数値は示されていない。

・データ要求(①各号機で炉心および使用済み燃料プールの冷却をしているポンプの能力、②本来の冷却装置のポンプの能力、③1~3各号機の燃料棒あるいは燃料集合体の数と重さ)

・説明要求(①福島第2原発の現状、②津波はすべての原因ではない。地震で何が起こったか)

・説明要求(津波前に地震で配管が壊れていたという情報について)

・文科省の4月20日の教育現場への文書「放射能を正しく理解するために」9頁に、「3月17日以降、放射性物質の大量放出はありません。したがって放射性物質が体や服に付着していたとしても、すでに取れています。口などから体内に入っていた場合でも、体外に排出されています」と書かれている。根拠を知りたい。安全委・保安院・文科省の横のつながりはどうなっているのか。市民側専門家を入れる案に賛成。

・福島のモニタリング・ポストは、なぜ10~20cmの高い位置にあるのか。なぜ1cmで公表しないのか。

・周辺の自治体ごとに線量計を設置させ、避難すべき場合の判断ができるようにしてほしい。

・SPEEDIの予測は、「放出源情報」が十分でなくとも公表すべきだ。

・被災地の住民はいつ帰れるか(チェルノブイリは25年経っても30キロ圏内は立入禁止)。

・原発漬けでかろうじて生きてきた過疎地の住民の生活をどう確保するか、智恵を集めてほしい。

・毎日の各地の大気と水道水を含む水の汚染濃度を、NHKを使って放送してほしい。

・3月15,16日の爆発で出た放射能は、どのような形でどこから放出されたのか。もし、福島市まで避難させることになったとしたら、それは現実に可能か。

・子どもたちを至急疎開させて。低線量被曝、内部被曝の危険性を認めよ。20mSv基準の撤回を。

・「最良のケース」「最悪のケース」を7~8つ設定し、1年後、5年後、10年後の予測を出すべき。

・原発が爆発する可能性が高まったら、どのような警報、アナウンスがあるのか分からない。

・浜岡原発の停止を。浜岡原発が壊滅した場合や他の地域での同様な事態に対する避難方法を事前に示せ。

・原発の現場労働者の労働実態と、今後の作業工程を具体的に明らかにすべきだ(主催者側でまとめて)。

・晩発性障害を見越した専門機関のたち上げなどを今すぐ始めてほしい。

・意識調査の原発反対40%、続けるべき60%は、正確な被害状況、危険性を政府・マスコミも含め発表、報道していないため。正しく発表してほしい。

・安全神話を担ってきた政府各機関と自民党、民主党員も含め、自己省察のベースの上に対応すべきだ。

・彼らの答弁は全くの自己保身。独立した組織に改組すべきで、その委員への市民の参加は不可欠だ。

・「原子力村」の人たちだけでなく、多くの人たちを事故の収束に関わらせていくべきだ。

・処理部隊は東電から独立した者でなければならない、というチェルノブイリ処理チーム長の言を聴け。

・事故原因究明の場へも市民代表の参加を求める。

・現地対策本部だけに任せていいのか。広く国内の建築家、電気・配管などの専門家を(対策本部組織図を)。

・福島原発では各部署で情報を共有し透明性をもって開示してほしい。

・国交省の作業トンネル準備を保安院は知らなかった。官民問わず原発の危険性を研究してきた研究者も入れ、この事故に責任ある者ではない第3者機関を立ち上げ、最悪事態に至らない方策を出してほしい。

・稼働中の原発(特に浜岡)を直ちに停止。代替エネルギーを至急検討。情報を公開し危険性を知らせる。

・原子力防災計画の中で家畜、ペットの避難について定められていなかったのか?(「福島第1原発警戒区域における動物の救護に関する要望書」「福島原発避難地域の飼育動物に関する要望書」を提出済み)

・「もう原発は止めるから、事故収束までもう少し我慢して」と言うなら、なんとか頑張れると思う。

・取り返しのつかない大変な事態になっているということを率直に認めてほしい。過去のことは責めようと思わないので、一切の行きがかりを捨て、エネルギー・シフトの具体的な方法や日程は次の課題として、脱原発の基本原則を明確に打ち出してほしい。

・憂慮される浜岡原発やもんじゅ、東海、六ヶ所など廃止に着手してほしい。

・段階的な脱原発を今すぐ決定してほしい。

・電力の独占をやめてほしい。

・原発関連のすべての資金の流れを公開。関連団体の財務諸表、A/S&P/Lに基づく原発貢献度割合の開示を。

・電力会社から政治家、暴力団、マスコミに流れていた金を安全対策に使っていれば大事故にはならなかったはず。東電の歴代責任者を国会に証人喚問し、金の流れを明らかにすべきだ。

・「安全委はそれだけの知識を持ち合わせていない」(4月3日日経)との斑目発言。メンバー総入替えを。

・早く放射能を止めろ。今まで安全神話=大ウソをついた。責任はきちんととってもらう。

・この人たちの日本を滅亡させ、国民の命を危険に陥れた罪を追及すべき。

・事故の可能性を再三公式に指摘されながら対応策を怠り、事故後も事態を深刻化させた。サムライ日本の官僚なら腹を切っていただきたい。

・保安院に企業がデータを出さなくていいのでは保安院は無意味。罰則を設けてデータを出させるべき。

・原子力推進派だけで構成されてきた原子力安全委は見直し、役割を果たさなかった保安院は解体すべき。歴代の委員長や電力会社の刑事責任、告訴・告発も考えていくべきだろう。